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杉並区 永福おおつかクリニックの情報を発信するページです

新しい肺炎球菌ワクチン「キャップバックス®」のご案内

当院では、キャップバックス®の接種を行っています。

料金:¥13,750(税込)

 

~肺炎球菌から、あなたの健康を守るために~

年齢を重ねるごとに、体を襲う感染症のリスクは増えていきます。
中でも、細菌の一つである肺炎球菌は、私たちが日常生活でかかりやすい「市中肺炎(家庭や地域で起こる肺炎)」の原因として最も多く、しかも重症化しやすい病原体です。
このたび、成人に特化して設計された新しいワクチン、キャップバックス®が販売されました。
これまで以上に幅広い血清型に対応し、肺炎球菌感染症による入院・後遺症・死亡のリスクを軽減する新たな選択肢です。
キャップバックス®の特徴・対象・接種のポイント・注意点などをわかりやすくご説明します。

なぜ「肺炎球菌」が問題なのか

肺炎球菌は90種類を超える血清型(菌の種類)を持ち、成人の市中肺炎や侵襲性肺炎球菌感染症(IPD:血液や髄液に菌が侵入するような重篤な感染)において、代表的な原因菌の一つです。
特に高齢者では、肺炎で亡くなる方の約9割以上が65歳以上とされており、肺炎球菌感染症は「予防すべき重大な感染症」です。
過去のワクチンでも予防効果が認められてきましたが、血清型の構成や免疫反応の違いにより、「十分にカバーできていなかった血清型」が残されていたことも事実です。

そこで開発されたのが、キャップバックス®です。

キャップバックス®の特徴

キャップバックス®は、成人(特にリスクが高いと考えられる)向けに設計された21価(21種類の血清型に対応)結合型肺炎球菌ワクチンです。

主な特徴:

  • 日本人成人における市中肺炎の原因菌のうち、約71.9%の血清型に対応。侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)では約80.3%の血清型をカバーしています(下図)。なお、杉並区公費助成対象となる従来の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス®NP)のカバー率は56.6%です。

  • 従来のワクチンでカバーされていなかった血清型を含む設計で、より広範囲の予防効果が期待できます。
  • 臨床試験において、既にワクチン接種歴のない成人で免疫反応(抗体価・貪食活性)が示され、安全性プロファイルもこれまでの同種ワクチンと同等レベルとされています。
  • 接種は1回0.5 mLを筋肉内注射する方式で、流行血清型の変遷にも配慮された設計です。

これらの特徴から、「成人の肺炎球菌感染症に対する新たな守り」として非常に注目されています。

接種をおすすめしたい方

次のいずれかに当てはまる方は、キャップバックス®の接種を特にご検討ください:

  • 65歳以上の方(高齢になるほど肺炎球菌感染症のリスクが上がります)
  • 慢性呼吸器疾患(COPDなど)、慢性心疾患、慢性腎疾患、肝疾患、糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方
  • 喫煙・飲酒習慣がある方、または免疫機能が何らかの理由で低下している方
  • 既に肺炎球菌ワクチンを接種したことがあるが、より広範囲の血清型をカバーしたい方

なお、これまでに他の肺炎球菌ワクチン(例:23価多糖体ワクチン:ニューモバックス®NP)を接種されている方でも、医師と相談の上でキャップバックス®への切り替え・追加接種が可能です。

接種回数・スケジュール・副反応について

  • 接種回数:原則1回接種です。
  • 接種時期:体調が安定しているときに受けるのがおすすめです。特に気温変化のある季節(秋冬~春)に向けて早めの接種が安心です。
  • 副反応・注意事項:
    • 接種後、注射部位の痛み・腫れ・赤みが5日程度発生する場合があります。実臨床試験では注射部位有害事象が約42.9%、全身性有害事象が約39.2%と報告されています(疲労・頭痛・筋肉痛など)。
    • ごくまれにアナフィラキシー様反応など重篤な副反応が起こる可能性があるため、接種後15分程度、院内で待機して頂きます。
    • 接種日当日もしくは直前まで発熱・体調不良がある場合は、接種できません。

費用について

料金:¥13,750(税込)
本ワクチンは現時点では自治体の公費対象外ですので、自費診療(任意接種)となります。

よくあるご質問(FAQ)

Q:すでに肺炎球菌ワクチンを受けたことがありますが、キャップバックス®も受けた方が良いでしょうか?
A:はい、これまでのワクチンでカバーできていなかった血清型を新たに含んでいるため、受けていただくことをお勧めします。医師と接種歴・健康状態を踏まえて検討ください。

Q:接種後すぐに完全な予防効果が出ますか?
A:接種後、抗体価が上昇して免疫が働きだすには一定の時間(通常数週間)がかかります。
その間も普段通り予防(マスク・手洗い・うがい等)を継続してください。

Q:どの年齢になったら接種すべきでしょう?
A:65歳以上が一般的な出発点となりますが、基礎疾患のある方・免疫機能が低下している方などは50歳代から検討されるケースもあります。医師とご相談ください。

当クリニックでの取り組み

当院では、成人の肺炎球菌感染症を防ぐために、キャップバックス®を含む予防接種のご相談を承っております。
接種前には問診を通じて健康状態を確認し、安心して受けていただけるよう配慮いたします。
ご予約はお電話にて承っております。
また、接種後のフォローアップも行い、何か気になる症状があれば速やかにご相談いただける体制を整えております。

最後に

“肺炎”という言葉に不安を感じたことはありませんか?実際、肺炎は日本人の死亡原因の上位を占めており、特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方では重篤化するリスクが高まります。
その中で、肺炎球菌は「予防できる原因菌」として注目されており、ワクチン接種は重要な予防策です。
キャップバックス®は、これまでのワクチンが十分カバーできなかった血清型を含み、「より広く」「より強く」成人の肺炎球菌感染症を防ぐために設計されています。

「もしも、自分自身が予防できるなら…」、ぜひ一度、当院でワクチン接種についてご検討ください。
皆さまの“明日の健康”を守るために、私たちは全力でサポートいたします。

どうぞお気軽にご相談ください。

 

引用元

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/pneumococcus-senior/index.html?utm_source=chatgpt.com

https://www.msdconnect.jp/products/capvaxive/info/features/?utm_source=chatgpt.com

https://www.msd.co.jp/news/product-news-20250808/?utm_source=chatgpt.com

https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=78814&utm_source=chatgpt.com

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00071756&utm_source=chatgpt.com

https://iyakutsushinsha.com/2025/08/12/21

 

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